スペシャルな毎日

多分3日で飽きるブログ

文庫X

殺人犯はそこにいる (新潮文庫 し 53-2)

殺人犯はそこにいる (新潮文庫 し 53-2)


昨日、喘息が酷くて昼間寝てしまい、夜中全く寝付けなかったので久しぶりに本を読んだ。


清水潔さんの、『殺人犯はそこにいる。』


栃木県と群馬県でバラバラに発生した幼女誘拐殺人事件。


筆者はその事件を調べるにつれて事件の関連性に気付き、これらの事件は別の事件ではなく同一犯による''連続幼女誘拐殺人事件''だという仮説に辿り着く。


曰く、『北関東連続幼女誘拐殺人事件』。


冤罪事件としても有名な足利事件もその中に含まれている。私もこの事件は小さい頃テレビで確か釈放された瞬間を見た気がする。


読んでて本当にのめり込んだ。
レビューには面白かったとか究極のミステリーとか書いてる人間が居たけど私はあまりそういう言葉を用いてこのルポルタージュを語りたくないと思う。


確かにひとつの作品(例えばこの事件が実際に起きたものでなく、創作だった場合)であれば、感想としては「面白いミステリーだった」的な言葉選びは不適切ではない、と言えるだろう。


しかし、この事件は実際に起きた事件である。
なので、あくまで私は、面白いとかそういうチープな感想をこの本に対して使うべきでないと思う。



真実がある。
全く罪のない、無邪気な子ども盛りの少女と、その家族が卑劣な犯罪に巻き込まれて計り知れない悲しみにさらされているという、真実。


そして冤罪に巻き込まれ、人生を台無しにされた人間がいるという真実。



真犯人は、今ものうのうと生きているという、反吐が出るような真実。



それらを目の当たりにした私は正直涙が出た。
やりきれなくて。何故か私が悔しい気持ちになった。


そんな本だった。
読んでない人には絶対読んでほしい一冊。